校内出歩きイベント
■アロマオイル ■きつい練習 ■弁当交換 ■黒板消し作戦 ▲ＴＯＰ
（1/3）
バンビ「（新名くんと紺野先輩だ）」
新名「オレ、勉強しているとすぐ飽きるほうなんすけど、アレ使うと持つんすよ。プラシーボかもだけど実際、順位上がったんで案外、侮れねぇなと。」
紺野「そっか。 じゃあ僕も暗示にかかろうかな。」
新名「ハハッ、かかんなくても玉緒さん常にトップ３に入ってんじゃん。 てか、すげー……あの位置をキープできる勉強法、知りてぇ〜。」
紺野「僕のほうこそ聞きたいよ。 前に、忘れたころに復習するって言ってたよね。」
新名「忘れかけのころ、が正解ッスね。 記憶の強化に最適なのは。 脳のメカニズム知ってから勉強すると、面白いッスよ。 いろいろ。」
紺野「へぇ……じゃあ今度、お互いの勉強法を披露してみようか。」
新名「押忍！」
バンビ「（二人が勉強の話で盛り上がってる……なんだか意外なような）」
（2/3）
バンビ「（新名くんと紺野先輩だ）」
新名「え！ 全部！？」
紺野「うん。 かなりアレ、気に入ったみたいで……詳細を聞いてきてくれって頼まれたんだけど、いいかな。」
新名「全然いいっすよ。 てか、玉緒さん姉ちゃんいたんだ。」
紺野「紹介はしないよ？」
新名「や、カンベンしてください。 玉緒さんのお姉さまなんて、恐れ多いッス。」
紺野「…………言い出しておいてなんだけど、ごめん。 僕もムリだ。」
新名「え。 ……怖いんすか？ お姉さん。」
紺野「うん、まあ……怒ると、ちょっとね。」
新名「あ〜……その。 なんつーか、お疲れッス。」
紺野「ハハハ……ありがとう……」
バンビ「（そういえば、前にもアレがどうのって……何のことだろう？）」
（3/3）
バンビ「（新名くんと紺野先輩だ）」
新名「これ、約束してた例のヤツっす。 使い方のメモも入れといたんで。」
紺野「ありがとう、助かるよ。」
新名「あ、お姉さんのとは別に玉緒さんのも入れといたんで使ってください。 バレないように。」
紺野「ハハ、がんばるよ。 っと、ごめん。 次は移動教室だからこれで。」
新名「押忍、お疲れっす！」
バンビ「新名くん。」
新名「○○さん。 ちょりーっす。」
バンビ「ちょりっす。 紺野先輩、忙しそうだね。」
新名「いっつもあんな感じじゃね？ 常に悩んでるっつーか。 で、アロマオイルを渡したわけ。」
バンビ「アロマオイル？」
新名「うん。 オレ入浴剤集めんの割と好きでさ。 いいのあったから。」
バンビ「そっか。 でもどうして新名くんが？」
新名「あ〜……そこは、ホラ。 疲れさせてる原因の一つにオレが含まれてるような気がしないでもないかな？ みたいな？ 苦労かけてんだからこれくらいは。 なあ？」
バンビ「（校則違反を正したほうが喜びそう……って言ったら元も子もないかな？）」
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（1/3）
バンビ「（ん？ あそこにいるのは……） 新名くん！」
新名「いっ！！！ あ……アンタか……焦った〜……」
バンビ「どうしたの？」
新名「……考えてみたらアンタも敵だな。」
バンビ「敵？」
不二山「見つけた。」
新名「出た！ さいなら！」
不二山「逃げ足の速いやつ……」
バンビ「不二山くん。 どうしたの？」
不二山「乱取りしてる最中に逃げられた。 どうすりゃやる気になるんだ？ 対策、練んなきゃな。」
バンビ「（うーん、難しそうだなぁ）」
（2/3）
バンビ「（あ、不二山くんだ）」
不二山「○○。 新名、見てねぇ？」
バンビ「新名くん？ ううん、見てないけど……」
不二山「そっか。 また校内にはいるんだな。」
バンビ「ひょっとして、また？」
不二山「……見かけたら部室で待ってるって伝えてくれ。 じゃあな。」
新名「…………ハァ。 助かった。 あんがと！」
バンビ「不二山くんの顔、見た？」
新名「見たけど？」
バンビ「行かなくていいの？」
新名「……押忍。 行く。 アンタも早く来てね。」
バンビ「（やれやれ……）」
（3/3）
不二山「○○。 行くか、部活。」
バンビ「うん。」
新名「嵐さん！」
バンビ「新名くん。」
不二山「どした？」
新名「そろそろ行くころかなーって。 部活。」
不二山「３人仲良くってか？」
新名「早く行こうぜ父ちゃん。 なあ、母ちゃん。」
不二山「おまえみたいな息子願い下げだ。」
新名「冷てぇ！ あ、ホラ行こうぜ、オレらも。」
バンビ「ふふっ、うん！」
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■弁当交換
（1/3）
新名「え、嵐さん昼そんだけ？」
バンビ「（ん？ あの声は……） 不二山くん、新名くん。」
不二山「○○。」
新名「あ。 なあ、どう思う？ ○○さん。」
バンビ「ん？」
新名「嵐さん、昼がソーセージロールと牛乳だけなんてありえなくね？ 少ねぇし、栄養だってさーー」
不二山「これ、三食目。」
新名「ああ、それじゃあ……三食目！？」
不二山「うん。 昼休み前に弁当２個食った。」
新名「それは食いすぎ……」
不二山「全然足んねーよ。 部活までにまだ食うかも。 たぶん食う。」
新名「マジっすか……嵐さんマジパネェ……」
バンビ「（ほんと、マジパネェだ……）」
（2/3）
バンビ「(ん？ あそこにいるのは……) 不二山くん！ 新名くん！」
不二山「よ。」
バンビ「あ、お弁当？」
新名「マジすっげーの、嵐さんの弁当！なんか素朴ってかさ、見た目は地味なんだけど栄養ばっちりオフクロの味、みたいな？」
不二山「おまえの弁当のほうがよっぽどウマそうだけど。」
新名「オレのなんて全ッ然！ あ〜……さっき貰った卵焼きなんて出汁の味がきいててもう……」
バンビ「そんなに美味しかったんだ？」
新名「うん。 ウチの母親、料理苦手だからさ。 オフクロの味ってマジ憧れ。 いいなー……もっと食いてぇなー……」
不二山「じゃあ、こんど交換するか？」
新名「マジで！？ じゃあじゃあ、お願いします！」
不二山「わかった。」
バンビ「（！？ 今の笑みは……何か企んでる？）」
（3/3）
バンビ「（あっ、いたいた……） 不二山くん！ 新名くん！」
新名「○○さん、ちょりーっす。」
バンビ「ふふ、ちょりっす。 あ、そのお弁当箱……」
新名「そ、交換してもらった！ ハァ、マジうまかった…… んー、ごちそうさま！んじゃ嵐さん、またよろしくッス。 あ、レシピの件も！ アンタもまたね。」
バンビ「新名くんのお弁当、どうだった？」
不二山「うまかった。 大成功だ。」
バンビ「大成功？」
不二山「洋風弁当、食ってみたかったんだ。 ずっと。 だからあいつが交換話に乗ってくれて助かった。 これでしばらくは弁当で楽しめるな。
和風に飢えてた新名も満足、洋風に弁当が食いたかった俺も満足。 大団円。 な？」
バンビ「（不二山くんの一人勝ちのような気がするのはどうしてだろう……）」
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（1/3）
バンビ「（あ、新名くんだ）」
男子Ａ「なあ、まだ続けんの？」
新名「もっちろーん。 アレ、はば学の伝統だし？」
男子Ｂ「伝統ってほど続いてんのかよ。」
新名「まあ、少なくとも何代かは。 ちなみに初代は女子の先輩だぜ。」
男子Ｂ「マジで！！ 勇者だな……」
新名「歴代の戦士たちの夢、ヒムロッチにぎゃふんと言わせるのはこのーー」
？？？「無駄だ。」
バンビ「！？」
氷室「あの程度の悪戯で私が “ぎゃふん” などと言うことは無い。」
新名「うわ出た！ 逃げろ！」
男子Ａ「あ、待てってズリィぞ！」
氷室「まったく…… ……君。」
バンビ「はいっ！！」
氷室「新名とは知り合いか？」
バンビ「あの……はい。」
氷室「では、伝えておきなさい。 “挑戦は何度でも受ける。 しかし君の努力が報われることは未来永劫ないだろう”…… 以上だ。 行ってよろしい。」
バンビ「（新名くん、氷室先生に何をしようとしてるんだろう……）」
（2/3）
バンビ「（あ、新名くんだ）」
新名「何が良くなかったんかなー。」
男子Ａ「相手が大迫ちゃんだったこと。」
新名「あれヒデェよ。 一番の不意打ちだよ。 てか、すぐオレの名前叫んだよな、なんでだよ。」
男子Ｂ「普段の行動が物を言ったんだろ？」
新名「べつにオレなーんにもしてないのにーぃ。」
？？？「ほう〜？ そういうこと言うのはどの口だぁ？」
新名「うわ、出た！ えーと……まあこの口？」
大迫「潔いところは、まあよしとする。」
新名「じゃあ……」
大迫「バカヤロー！ それとこれとは話がべつだぁ！」
新名「だから、あれはヒムロッチに当てるはずだったんだって！ つーか、もう……さいなら！」
大迫「こらぁ、待てぇ！」
男子Ａ「あ、待てってズリィぞ！」
バンビ「（何を当てようとしてるんだろう……）」
（3/3）
バンビ「（あ、新名くんだ）」
新名「よっす。」
バンビ「どうしたの？」
新名「立たされてるの。 ヒムロッチに。 あちこちに仕掛けておいた黒板消し爆弾が誤爆しまくってさー……」
バンビ「黒板消し爆弾！！」
新名「うん。 音楽室、職員室、進路指導室。 あと車の上。」
バンビ「そ、それは……」
？？？「やりすぎだ。」
バンビ「氷室先生！」
氷室「次からは攻撃目標を確実に私だけに絞れ。 他の先生方や生徒にまで被害が及ぶ事は認めない。」
新名「だって引っかかってくんないんスもん。 あ、そうだ。 明日までに書く反省文１０枚の中に作戦プランも入れとくんで添削してもらっていいッスか？」
氷室「いいだろう。 今までにない斬新な発想を期待している。 教室に戻りなさい。……君。」
バンビ「はっ、はい！」
氷室「リボンが曲がっている。 直したまえ。」
バンビ「……はい。」
氷室「よろしい。」
新名「叱られちゃったねぇ？」
バンビ「新名くん！」
新名「ハハッ、ゴメンて。 さーて、許可ももらったし帰って作戦練らないと！ テスト勉強より時間かかりそ。」
バンビ「（氷室先生も大変だ……）」
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