GS3 喫茶店会話 新名△不二山 ≪好き以下≫
バンビ「2人の好きな食べ物ってなに?」
新名「なんか作ってくれんの?ヤッリィ!」
バンビ「そ、そういうワケじゃ!」
新名「前にも言ったかもだけど、オレはパスタとかピザ!あとは野菜スティック。」
バンビ「野菜スティック?」
新名「そ。新味のディップ作るのが楽しくてさ。」
不二山「ディップってなに?」
バンビ「ドレッシングみたいなもの……かな?」
不二山「へー。食ってみたい。」
新名「じゃ、今度、作ってこよっかな。なにが好きなんスか?嵐さんは。」
不二山「…………ステーキ。」
新名「そんなので作れねぇし。」
不二山「じゃあ、イクラ。」
バンビ「イクラディップ……」
新名「ざーんしーん……」
バンビ「ほ、他に好きなものは?」
不二山「うーん……あ、にんにく。」
新名「それだ!それならアンタもイケるでしょ?」
バンビ「う、うん。たぶん。」
新名「よし決まり!……てか、なんでオレがなんか作るって話になってんの?」
バンビ「(言われてみれば……)」
バンビ「2人が好きなスポーツってなに?」
新名「オレはハヤリもんならなんでもだけど、最近は……」
バンビ「最近は?」
新名「まぁ……柔道、とか?」
不二山「…………へぇ……」
バンビ「ふふっ!不二山くんは?」
不二山「俺も柔道。やっぱ、組める相手がいるのって違う。」
バンビ「うん……そうだよね。」
不二山「おまえは?」
バンビ「えっ……わたし?」
不二山「そう。」
新名「オレも聞いたい!」
バンビ「えぇと……柔道……かな!」
新名「ハハッ、空気読んだ。さっすが。」
不二山「うん。俺らのマネージャーだけある。」
バンビ「(なんだかちょっと照れるかも……)」
バンビ「2人は、わたしがいないときなにを話したりしてるの?」
新名「まぁ、たいてい柔道の話から始まって……」
不二山「うん。食い物の話とか。そこいらの連中と大して変わんねーよ。」
バンビ「そっか。」
新名「あ、そういや菊の話、聞いた。嵐さん、育てんのが趣味だって。」
バンビ「新名くんもするの?」
新名「ムリムリ。ウチ、そんな庭ねぇもん。けど、こんど見せてもらう約束した。」
バンビ「ふぅん……いいなぁ。」
不二山「いいなぁじゃねーよ。おまえも来るんだよ。」
バンビ「えっ、そうなの?」
新名「元々、アンタも誘ってって話だったからさ。ちょうど良かった。」
不二山「日にちは2人で決めていい。うちはいつでも平気だから。」
新名「押忍。んじゃ、あとで話そうぜ。」
バンビ「うん!」
バンビ「初めて会った時、お互いのこと、どう思った?」
不二山「逸材発見。」
新名「これだよ。フツウ、チャラ男は無視するのがセオリーでしょ?この手の人はさ。なのに入部前提でどんどん話、進めるし……もう、怖ェのなんの。」
バンビ「ふふっ。じゃあ、今は?」
新名「今はまあ……フツウの先輩って感じ?」
不二山「なんだ、普通か。」
新名「まさか “いい先輩” とかって思ってたり?」
不二山「 “尊敬する先輩” だろ?」
新名「自分で言うし。」
バンビ「(いいコンビだよね、この2人って)」
バンビ「男の子に好かれる女の子ってどういう子だと思う?」
新名「んー。アンタみたいなコ?」
バンビ「えっ、わたし?」
新名「そ。オレと嵐さんみたいな極端な2人と、なーんの問題もなく喋れてるし。」
不二山「見た目も悪くねぇし。」
バンビ「!」
新名「なんか……嵐さんがそういうこと言うの、初めて聞いた……」
不二山「そうか?」
新名「そうだよ!なぁ?」
バンビ「う、うん。」
不二山「まぁ、ここにいるのがおまえらじゃなかったら言ってねーな。たしかに。」
新名「すげー……ホラ、こんなことを嵐さんに言わせるくらいなんだから自信持っていいよ。」
不二山「 ? そこまでか? わっかんねー……」
バンビ「(ハァ、びっくりした……)」
バンビ「女の子らしさって、どういうところに感じる?」
新名「やっぱ、しぐさでしょ?」
不二山「たしかに、女っぽい動作ってあるよな。」
バンビ「たとえば?」
不二山「耳にかかる髪、かきあげたり。」
新名「あるある。」
不二山「あとは、何か拾う時とか。」
バンビ「具体的には?」
不二山「男は普通に腰、曲げるだろ。でも女はスカート履くから、膝を揃えてしゃがむ。」
バンビ「あ、言われてみれば……」
新名「へぇ……嵐さん、よく見てんじゃん。」
不二山「まぁな。けっこう勉強になるし。」
バンビ「勉強?」
不二山「うん。骨格が違うから筋肉の付き方、使い方も微妙に違う。そういう部分、見抜けるようになるだけで試合の組み立て方も変わってくる。
だから、男とか女って言うより人間を見てる感じだ。目と頭の訓練になるから。」
バンビ「へぇ、そうなんだ……」
新名「なるほどなー、やっぱ嵐さんてパネェ……ん?そんな話だったっけ?」
バンビ「(あれ?)」
バンビ「男の子同士の友情って、どういう感じ?」
不二山「考えたことねーよ、そんなの。」
新名「うん。ない。」
バンビ「そうなの?」
不二山「口に出さなくてもそこにある。だから考える必要ない。」
新名「そうそう。確認する必要もないッスもんね。」
不二山「まあな。」
バンビ「(なんだか羨ましい……)」
バンビ「男の子と女の子が親友になることって、ありえると思う?」
不二山「あるだろ。普通に。」
新名「オレもある派。」
バンビ「即答だね?」
新名「だって、オレらがそうじゃん。ね、嵐さん。」
不二山「まあな。」
バンビ「不二山くん……新名くん……」
新名「あ、なに?感動してんの?ここは友情確認でハグっとく?」
不二山「…………」
新名「あ、じゃあ先に嵐さんと確認……」
不二山「 ! いい、来んな!」
新名「逃げた!追いかけよ!」
バンビ「(行っちゃった。わたしも行こうっと!)」
バンビ「2人は、恋してる?」
不二山「してない。」
新名「うん、オレも。」
バンビ「……話、終わっちゃった。」
新名「ハハッ。大体さ、してたらこんな風に3人で集まるとかって、ありえねぇし。」
不二山「ありえねーの?」
新名「ありえねーッス。好きになったコのとこにガツガツ行ってるって。」
不二山「そっか。じゃあ、もしーー」
バンビ「もし?」
不二山「…………なに言おうとしたか忘れた。」
新名「嵐さーん……」
バンビ「(不二山くん、なにを言おうとしたんだろう?)」
GS3 喫茶店会話 新名△不二山 ≪好き以上≫
バンビ「男の人って、いつもどんなこと考えてるの?」
新名「気になるコのこと。」
バンビ「ふぅん……不二山くんは?」
不二山「…………」
バンビ「不二山くん?」
不二山「あ、悪ぃ。俺は……なにも考えてねぇ。考えてねぇってより、いろんな管が詰まって、先に進めなくなってる感じ。」
新名「それ、取れたら先に進めるんスか?」
不二山「どうだろうな。進んでいいのかどうかもわかんねーし。」
新名「……そうッスね。」
バンビ「(やっぱり、男の人って難しいな……)」
バンビ「2人は、好きな女の子のタイプとかってある?」
新名「オレは、いろんなこと話せるコ。嵐さんは?」
不二山「考えたことない。」
新名「……そっか。じゃ、当ててみよっかな。」
バンビ「えっ、わかるの?」
新名「んー。なんとなく?」
不二山「いい、べつに。当てなくて。」
バンビ「えっ、どうして?」
不二山「いいよ。なんで人に当てられなきゃなんねーんだよ。」
新名「まぁ、たしかに。てか、スンマセン。」
バンビ「うん……ごめんね。」
不二山「いい。俺も、悪かった。」
バンビ「わたし、もう少し女の子らしくしたほうがいいと思う?」
新名「今のままで充分だと思うけど?」
バンビ「そう?不二山くんもそう思う?」
不二山「うん。それ以上どうにかなったら、壊れるような気がする。」
バンビ「壊れるって……なにが?」
不二山「わかんねーよ、そんなの。」
バンビ「わかんねーよって……新名くんはわかる?」
新名「うん、まぁ。けど、教えてあげない。2人とも自分で答え、見つけたほうがいいよ。」
不二山「…………」
バンビ「うーん……」
新名「まぁとにかく、アンタは今のままでいいってうのが嵐さんとオレの意見ってことで。」
バンビ「(自分で、か……)」
バンビ「2人は、ドキドキするのってどんなとき?」
不二山「俺は……おまえと2人になったとき。」
新名「…………」
バンビ「えっ……どうして?」
不二山「わかんねー。けど、なるべく3人でいてぇなって、思う。」
バンビ「……わたし、なにかした?」
不二山「してない。」
バンビ「じゃあ、どうして……」
新名「ストップ。アンタが何かしたせいじゃない。それはオレも保証する。」
バンビ「でもそれは新名くんの……」
新名「オレも嵐さんと似たようなもんだから、わかるんだよ。」
バンビ「え……?」
不二山「…………」
新名「まぁ、オレの場合はちょっと違ぇけど。……キッチリ自覚がある分、タチが悪ィっつーか。
てか、こういう話がマジでドキドキすっから。だからもうやめてよ。頼むからさ。」
バンビ「(やっぱり、わたしのせいなのかな……)」
バンビ「男の子同士の友情って、何があっても続くもの?」
新名「続くときは続く。ダメなときはダメ。そんなもんでしょ。」
バンビ「そうなの?不二山くんも?」
不二山「まぁな。」
バンビ「けっこう、ドライなんだね……」
新名「そうでもねぇよ?」
バンビ「えっ?」
不二山「うん。そうでもねーかもな。」
バンビ「(複雑なんだな……)」
バンビ「男女の友情って、あると思う?」
不二山「…………」
新名「…………」
バンビ「……わたし、なにかヘンなこと言った?」
不二山「言った。」
新名「うん。言った。言っちゃった。」
バンビ「えっ……えぇと?」
新名「まぁ、今はあるって言っとく。」
バンビ「今は?」
不二山「この先は微妙ってことじゃねーか?」
バンビ「不二山くんも……?」
不二山「うん。たぶん。」
バンビ「(このままじゃいられないってこと、なのかな……)
バンビ「2人とも最近、恋してる?」
不二山「してない。」
新名「…………」
バンビ「そっか……ん?新名くん?」
新名「ふぅん……嵐さん、してねぇんだ?」
不二山「…………そういうおまえはどうなんだよ。」
新名「してますけど?」
不二山「へぇ。…………」
バンビ「あの……2人とも、どうしたの?」
新名「べつに?」
不二山「なんでもない。」
バンビ「(なんでもないっていう雰囲気じゃないような……)」
バンビ「2人は、キスってどう思う?」
新名「…………なぁ。そんなのオレらに聞いてどうすんの?」
バンビ「どうするって……ちょっと、気になって。」
新名「またそれかよ。いいかげんさ、空気読んでくんねぇ?」
不二山「新名。」
新名「!!」
不二山「言いすぎ。」
新名「……押忍。ゴメン。」
バンビ「ううん。わたしのほうこそ、ごめん……」
バンビ「スキンシップって大切だよね。」
新名「大切、なんだろうけどさ。すっげ正直に言っちゃうと、嵐さんばっかのときはムカッとくる。」
バンビ「そっか……えぇっ!」
新名「だってそういうときあんじゃん。」
バンビ「う……」
不二山「逆もあるだろ。」
新名「それは、そうだけど……」
不二山「隣の芝は青い。おまえも青い。人の痛みを知れ。」
新名「う……押忍。」
バンビ「(押忍……)」